〈Case1〉相談者プロフィール:ユウキさん(仮名)
- 年齢:37歳
- 職業:食品メーカー勤務(営業)
- 役職:営業チームのリーダー
- 住まい:横浜市内の戸建て住宅
- 趣味:ワイン会参加、美味しいワイン探し
- ワイン資格:ワインエキスパート
- 副業経験:なし
- パソコン作業:得意
- 将来の夢:ゆくゆくは、自分で選んだワインをECショップで販売してみたい
- 最近の悩み:休日の副業で、はたして本当に酒販免許を取得できるのだろうか?
副業でワインのECショップってできる?
大学時代のヨーロッパ旅行でワインの美味しさに目覚めて以来、ワインが好きで、仕事終わりや休日にワイン会に参加したり、角打ち併設のワインショップに立ち寄ってワイン好きの人と交流するのが楽しみ、という30代会社員のユウキさん。
最近では、自分で見つけたお気に入りのワインをSNSで紹介することも増え、「いつか自分でも販売してみたい」と考えるようになりました。
会社は副業を認めています。
「それなら、休日だけECショップを始められないかな?」
そんな思いから、酒販免許について調べ始めました。
ユウキさん会社は副業OKのはずです。
休日だけでも、ネットショップならできますか?



酒販免許は副業だから取得できない、ということはありません。
ただ、確認しておきたいポイントがいくつかあります。
ここからは、ユウキさんと一緒に確認してみましょう
① まずは会社の副業規定を確認
会社が副業を認めていることは、大前提です。
酒販免許の申請では、副業が禁止されていないことを確認するため、就業規則や副業の承認書などの提出を求められることがあります。
「黙って始めれば大丈夫」というものではありませんので、まずは勤務先のルールを確認しておきましょう。



会社は大丈夫そうです!
じゃあ、あとは免許を取れば始められますか?



次は、経験や販売体制なども見ていきましょう。
② お酒を販売するための準備は?
酒販免許では、「適正に酒類を販売できるか」という点が確認されます。
そのため、
- 酒類販売の経験
- 経営経験
- 酒類販売管理研修の受講
などを総合的に見て判断されます。
特に会社員の副業では、「経営経験」と「販売体制」がポイントになることが多く、職歴や役職、過去のアルバイト経験、酒類販売管理研修の受講状況などを総合的に判断されます。
営業リーダーや管理職として、部下の指導や売上管理などに携わってきた経験が考慮される場合もあります。
税務署では、事業を継続して行うための資金計画や収支の見通しなども確認されます。副業として始める場合でも、どのくらいの規模で、どのように運営していくのかを考えておくことが大切です。
「経験がないから絶対に無理」というわけではありませんが、ご自身がどの要件に当てはまるのかを確認することが大切です。
③ 平日は仕事。でも販売はちゃんとできる?



平日の昼間は仕事なので、発送は土日にまとめてやろうと思っています。



事業規模にもよりますが、そのような運営方法が現実的かどうかも含めて考える必要があります。
ネットショップは24時間注文が入ります。
しかし、お客様への連絡や発送、仕入先とのやり取りは誰かが対応しなければなりません。
税務署では、
- 問い合わせに対応できるか
- 商品を発送できるか
- 継続的に運営できるか
といった販売体制も確認されます。
本人が会社の勤務を続ける場合、平日の対応や、お客様からの急な問い合わせやトラブルに、誰が、いつ、どのように対応するつもりかなど、具体的な事業計画を示す必要があります。
④ 自宅の一室でも大丈夫?



ECショップだから、自宅でも大丈夫だよな・・・
副業では、自宅を販売場として申請したいという方が多くいます。
持ち家であれば比較的進めやすいケースもありますが、分譲マンションでは管理規約、賃貸住宅では大家さんの承諾などが求められる場合があります。
また、ワンルームの場合は、生活スペースと販売場を明確に区分することが難しいため、ハードルが高くなるケースもあります。
「自宅だからダメ」「マンションだから無理」と一律に決まるわけではなく、住まいの状況によって判断が異なります。
⑤ ワインはどこから仕入れる?
酒販免許が取得できても、商品がなければ販売は始められません。
輸入ワインを扱いたい場合は、インポーターや卸売業者などの取引先を探す必要があります。また、日本ワインを扱うのであれば、ワイナリーと直接取引するケースもあります。
いずれにせよ「何を売りたいのか」を決めておくことは、事業計画や仕入先を考える上でも大切なポイントです。
お酒の免許申請では、「本当にその仕入先からお酒を仕入れられるのか」という確実性も確認されます。
副業での開業は、不可能ではない
ユウキさんのように、会社員のまま副業でワイン販売を始めることは、決して不可能ではありません。
その一方で、
- 勤務先の副業規定
- 経験や知識
- 販売体制
- 販売場の確保
など、事前に確認しておきたいポイントがいくつかあります。
「副業だから取得できない」のではなく、「副業でも適正に酒類販売を行える体制が整っているか」が重要になります。まずはご自身の状況を整理しながら、一つずつ確認していきましょう。
まとめ:「副業だから無理」ではなく、「体制が整っているか」



副業だから無理だと思っていましたが、まずは自分の状況を整理してみることが大切なんですね。



はい、まずは販売体制を整理してみてください。
副業での開業は、けっして不可能ではありません。
こうしたポイントを一つずつクリアしていけば、ユウキさんの「いつか自分で選んだワインを届けたい」という思いも、少しずつ形になっていきます。
ワイン会で出会った一本や、SNSで紹介してきたお気に入りが、いつか自分のショップに並ぶ日も、そう遠くないかもしれません。
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