〈Case4〉相談者プロフィール:ケンジさん(仮名)
- 年齢:57歳
- 職業:メーカー勤務(営業職)
- 家族:妻と二人暮らし。娘は独立して別居
- 性格:慎重派。大きなリスクは取りたくないが、新しいことにも挑戦してみたい
- 趣味:国内旅行、温泉、食べ歩き
- ワイン歴:20年以上。休日は夫婦でワインショップ巡りやワイナリー訪問を楽しんでいる
- 好きなワイン:ブルゴーニュや日本ワイン。旅先でその土地のワイナリーを訪ねるのが好き
- 定年後の夢:自宅近くで、小さなワインショップを開きたい
- 現在の悩み:再雇用で働き続けるか、新しい道に進むかで迷っている
定年後にワインショップはできる?
60歳の定年が少しずつ近づいているケンジさん。
今の会社には再雇用制度もありますが、このまま働き続けるか、それとも新しいことに挑戦するかを最近よく考えるようになりました。
ワインが好きで、休日は気になるワインショップを巡ったり、夫婦で旅行した際にその地のワイナリーを訪ねたりしてきました。
そんな中で、少しずつ心の中に芽生えてきたのが、「定年後は好きなワインに関わる仕事をしてみたい」という思いです。
とはいえ、老後資金を大きく取り崩してまで始めるのは不安です。旅行や趣味の時間も大切にしたい。
できるだけ初期投資を抑えながら、自分たちらしいペースで続けていける方法はないのでしょうか。
ケンジさんワインが好きなので、小さなワインショップをやってみたいと思っています。
でも、定年後にいきなり始めるのは少し怖くて……。
そもそも、ワインで本当に収入を作れるのかも分かりません。



定年後の開業の場合は、採算面に加えて、「この先どんな暮らしをしたいのか」も考えたいところですね。
ここからは、ケンジさんと一緒に確認してみましょう
ケンジさんの迷い
- 定年後は好きなワインに関わる仕事をしてみたいが、老後資金を大きく減らしたくない。
- 小さく始めるとして、ワインショップ(実店舗)・EC・ワインバーのどれが現実的なのか分からない。
- 旅行や趣味の時間も大切にしながら、無理のない形で続けたい。
- 定年後を見据えて今から準備したいが、酒販免許はいつ取得すればよいのだろう。



自宅近くに小さなお店を持つのが理想です。
でもそれは会社を完全に辞めてからの話かな、と。
今のうちに酒販免許だけ取得しておくことはできるんでしょうか?



可能性はあります。
ただし、どのような形で始めたいのかによって、準備の仕方は変わってきます。
まずは「小さく始めて様子を見る」という選択肢
定年後、再雇用制度を利用してこのまま働き続けるのか、それとも新しいことに挑戦するのか。
その答えを出すために、現職で働いている間に、まずは兼業でECショップを立ち上げ、実際の感触を確かめてみるというのも現実的な方法です。



実は、ECショップは、娘が最初のサイト構築を手伝ってくれそうなんです。



それなら、なおさら「小さく始めて様子を見る」という選択肢は考えやすいですね。
ITにあまり自信がなくても、開設時のサポートを得られるのであれば、始めるハードルは少し下がります。
実際に運営してみることで、ワインを仕入れて販売する楽しさだけでなく、注文への対応や在庫管理、発送作業にどの程度の時間がかかるのかも分かってきます。
売上だけでなく、自分の生活に無理なく組み込める仕事なのかを確かめられることも、小さく始めるメリットです。
酒販免許はいつ取得すればいい?
では、酒販免許はいつ取得すればよいのでしょうか。
実店舗を開く場合、酒販免許は「販売場ごとの免許」です。そのため、「いつか店を開きたい」という段階で、将来使うための免許だけを先に取得することはできません。
実際に物件の目途が立ち、そこでどのように営業するのかが具体的になってから、申請手続きを進めることになります。
一方、先にECショップから始めるのであれば、自宅を販売場として通信販売酒類小売業免許を取得する方法があります。
まずはECショップを運営し、その後、休日のマルシェへの出店や、定年後の実店舗開業を検討するという進め方もできるでしょう。
ただし、通信販売酒類小売業免許で認められているのは、原則として通信販売による販売です。
マルシェなどで対面販売をしたり、実店舗で販売したりする場合には、その販売方法に応じた免許や手続きが別途必要になります。
最初からすべてを決めておく必要はありません。まずはECという形で始め、次にやりたいことが具体的に見えてきた段階で、必要な免許や手続きを確認しながら事業を広げていくことも可能です。



なるほど。まずは小さく始めてみて、本当に続けられそうかを自分で確かめるんですね!
それなら、妻にも賛成してもらえそうです。



はい。定年後のショップ経営は、売上だけを追うものではありません。
趣味や旅行の時間、家族との暮らしとのバランスを考えながら、無理のない形を見つけることも大切ですね。
まとめ:「第二の人生」は、小さな一歩から
まずはECショップなど、小さな形で始めてみる。
実際にお客様とつながり、自分に合ったペースを確かめながら、少しずつ理想の形に近づけていく――。
定年後のワインショップには、収入を得ることだけでなく、好きなことを通じて社会とのつながりを持ち続けるという意味もあります。
旅行や趣味、家族との時間も大切にしながら、自分らしい働き方を探していく。
そんな「第二の人生の準備」として、ワインショップを考えてみるのも、一つの選択肢なのかもしれません。
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