オンラインでワインショップを始めようとするとき、多くの方がまず考えるのが「どこで売るか」です。
でも実は、それよりもっと大事な問いがあります。
「どこで見つけてもらうか」
売上というのは、次の流れでじわじわと生まれてきます。

この流れを意識すると、自社サイト・SNS・ワイン特化型アプリの「Vivino」・ECモール、それぞれがまったく違う役割を持っていることがわかります。「なんとなく全部やる」のではなく、役割を理解して組み合わせることが、集客を安定させるコツです。
自社のワイン販売サイトは、オンライン上のいわば「本店」
まず大前提として、自社サイトは、ネット上の「本店」です。
SNSで知ってもらった人も、Vivinoで興味を持った人も、「どんなお店なんだろう?」と思えば、最終的には自社サイトを訪れます。
自社サイトの強みは、こんなところにあります。
- お店のブランドを育てられる
どんな生産者の、どんなワインを、どんな想いで届けているのか
コンセプトをしっかり伝えられる - 世界観を自由に作れる
店主の知識や個性を、写真・文章・デザインで表現することで、それがそのままお店の魅力になる - 信頼感・安心感を届けられる
ワインは『届くまで状態がわからない』温度管理や配送状態が気になる商品
自社サイトで丁寧な梱包や配送方法、万一の際の対応窓口などが提示してあると、信頼に繋がります - お客様と直接つながれる
お客様のメールアドレスやLINEを取得できる
新着ワインの案内やセール告知を自分のタイミングで届けられます - 顧客データが手元に残る
誰が、いつ、何を買ったかのデータが蓄積できます
これが後々のマーケティングに効いてきます - 利益率が高い
ECモールのような販売手数料がない分、利益が残りやすい構造です
逆に、コンセプトのない自社サイトは、ただワインが並んでいるだけの商品リストになってしまいます。
「なぜこの生産者の、このワインを紹介したいか」を丁寧に伝えることが大切です。
ノーコードでもワインの自社サイトは作れます
「でもサイト構築が難しそう……」と思っている方もなかにはいらっしゃるでしょう。でもご安心ください。
いまはノーコードでEC機能つきのショップサイトが作れるプラットフォームがとても充実しています。
| サービス | 特徴 |
| BASE(ベイス) | 初心者向け。無料から始めやすい |
| Shopify(ショッピファイ) | 拡張性が高く本格運営向き |
| STORES(ストアーズ) | シンプルで扱いやすい |
| Squarespace(スクエアスペース) | デザイン性が高い |
| Wix(ウィックス) | 自由度が高い |
どれにするかは、使いやすさやデザイン性など、自分で実際に触ってみて選ぶのがいちばんです。
ワインショップのSNSは「入口」
SNSは、あなたのワインショップをまだ知らない人に知ってもらうための「入口」です。
ワインは視覚的な魅力が大きい商品なので、写真や動画を中心に発信できるInstagramと特に相性が良いといわれます。
ボトルのラベル、グラスに注いだ瞬間、ペアリングの料理——日常のシーンをそのまま投稿できる点でも使いやすいです。
SNS内でワインが検索される時代
少し前まで、「調べるならGoogle」でしたが、最近はそれも少し変わってきています。
Instagramで「軽井沢 ワインショップ」や「ナチュラルワイン おすすめ」と検索する人が増えています。
つまり、SNSへの継続的な投稿は、ブランド力の構築だけでなく、SNS内の検索対応にもなります。
SNSも「検索される場所」という意識で、地道な発信を続けていくといいでしょう。
SEOは「資産型集客」
ブログ記事やコラムによるSEO対策は、他の集客手段とは少し違う性質を持っています。
広告は費用を払い続けなければ止まりますが、記事は一度書いてしまえば、毎月検索から人を呼び込み続けます。
これを「資産型集客」と呼びます。
たとえば、こんなテーマの記事です。
- ブドウ品種の解説(シャルドネ、ピノ・ノワール、リースリングなど)
- 生産地・生産者の紹介
- ワインの選び方・初心者向けガイド
- 料理とのペアリング提案
これらは「ワインを買おうとしている人」「ワインに興味を持ち始めた人」が実際に検索するキーワードです。
記事が上位に表示されるようになれば、広告費ゼロで毎月集客できるようになります。
時間はかかりますが、継続しているうちに資産構築される「積み立て投資」のイメージです。
Vivinoは「ワイン好き」が集まる場所
ワイン特化型アプリのVivinoはAmazonでも楽天でもなく、一般的なSNSともちょっと違います。
わかりやすく言えば、「Googleマップのワイン版」みたいなものです。
飲食店の口コミをGoogleマップで確認するように、Vivinoはワインの評価や口コミを確認できるプラットフォームです。そして今は、その場で購入まで完結できる仕組みになっています。
お店で飲んで美味しかったワインを撮影してアップするだけで、そのワインの評価や価格がすぐにわかるだけでなく、その場で購入にまで進むことができます。表示される評価やレビューが、そのワインを初めて知った人に安心感を与え、購入の後押しになります。
Vivinoに集まっているのは、すでにワインへの関心が高い人たち。
アプリで操作性もよく、初心者から愛好家まで、幅広いワイン好きが利用しています。
ECモールは「集客を買う場所」
楽天やAmazonは、ブランドを育てることが主な目的の場所ではありません。
イメージとしては、「人通りの多い商店街に、家賃(手数料)を払って出店する」感覚です。
すでに大勢のお客様が集まっている場所に店を出すことで、ゼロからの集客コストを下げられます。
ただし、モールに依存すると、顧客データが手元に残りません。※
自社サイトで「本店」をしっかり育てながら、ECモールは集客の補助として活用するのが、バランスのいい使い方でしょう。
※ ECモールは、注文データや配送先住所は残りますが、お客様のメールアドレスは原則非開示で、モールのシステム外でお客様に直接連絡をとることができません。
有料集客(Meta広告・Google広告)
Meta広告(Instagram・Facebook)やGoogle広告は、お金を払うことで見込み客に素早く届けられる手段です。
SEOとの違いをシンプルに言うと、
- 広告 → 早い。でも広告掲載を止めると集客も止まる
- SEO → 育つまで時間がかかる。でも記事は資産として残る
広告掲載は、開業直後で認知度がない時期に、短期的な集客の補助として使うのが効果的です。
ある程度SEOが育ってきたら、広告への依存度を少しずつ下げていくイメージです。
ワインショップにおける、リピーターづくり
ワインショップの利益は、新規客よりもリピーターから生まれます。
一度買っていただいたお客様に「また来てもらう」仕組みを持つことが、長期的な経営の安定につながります。
主な手段としては
- LINE公式アカウント ― 新着ワインや季節のおすすめをタイムリーに配信
- メールマガジン ― 読み応えのあるコラムや限定情報を届ける
- 会員制度・ポイント ― 継続購入のインセンティブ作り
- レビュー・お気に入り登録 ― お客様との接点を増やす
- 友達紹介・割引クーポン ― 口コミによる新規集客にもつながる
- 定期便・頒布会 ― 毎月おすすめワインをお届け
新規客を集めるコストは、リピーターを維持するコストよりずっと高くつきます。
「また買いたいな」と思ってもらえるお店づくりが、結局はもっとも効率のいい集客になります。
おわりに:― 全部いっぺんにやらなくていい
ワインショップ運営は、自社サイトだけ、SNSだけ、ECモールだけ、では成功しにくい時代です。
それぞれの役割を理解して組み合わせることで、集客の入口が増え、売上も安定していきます。
ただ、開業直後から全部を同時に始める必要はありません。
Instagram・X・Threads・YouTube・LINE・メルマガ・楽天・Amazon・Vivino・Google広告・SEO……
一気に全部手をつけると、必ず疲弊します。それで燃え尽きて、すべて中途半端になってしまったら元も子もないです。
開業初期は、この順番でも十分です。
- 自社サイトの立ち上げ
- Instagramで発信を始める
- SEO記事を書き始める
- LINEで顧客とつながる
- VivinoやECモールなどで、販売チャネルを広げる
一つひとつを確実に積み上げていく中で、自分に合ったスタイル、やり方が確立されるでしょう。
それぞれのプラットフォームには、明確な特徴と役割があります。
| 手段 | 主な役割 |
| 自社サイト | ブランドを育て、販売する「本店」 |
| SNS | 出会いの入口 |
| SEO | 検索から継続的に集客する資産 |
| Vivino | ワイン好きとの接点 |
| ECモール | 集客力を活用する販売チャネル |
| LINE・メルマガ | リピーター育成 |
それぞれの役割を理解して少しずつ組み合わせていくことが、ECワインショップの集客を成功させる近道です。
そして、その積み重ねが「選ばれるお店」へと育っていきます。
ワインショップ開業ガイド
ワインショップを開業したい方に向けて、開業準備から仕入れ、販売、集客までを順番に解説しています。
■ 開業準備
- 「コンセプト設計から始めよう」― どんなお店にする?―
- 「開業資金はどれくらい必要?」― 初期在庫や設備投資のリアル ―
- 「開業場所はどこが良い?」― ワインショップの立地は、売り方によって正解が変わる ―
- 「ワインショップは何本売れば食べていける?」― 自宅EC販売から逆算してみた ―
■ 商品・販売
- 「ワインショップの仕入れはどうする?」― インポーター、卸売業者、直輸入…どれを選ぶ? ―
- 「日本ワインを扱う場合のポイント」― ワイナリーとの関係づくりが仕入れを左右する ―
- 飲食店向け販売は「卸売」じゃない―ワインショップ経営を支える「もう一つの販路」 ―
■ 店舗運営
- 「実店舗 vs ECショップ 」― メリット・デメリット徹底比較 ―
- 「角打ち併設の可能性」― 有料試飲が生み出す価値と課題 ―
- 「スタッフ採用と店舗運営」― 人を雇うのは「忙しくなったとき」ではない? ―
■ EC・集客
■ ブランディング
酒類販売業免許の手続きは、公的書類の収集をはじめ、要件を満たしているかどうかの税務署との事前確認、そして申請書一式の作成など、想像以上に時間と労力がかかります。
当事務所では、ワイン業界に詳しい行政書士が自ら、お客様が本業の準備に専念できるよう、面倒な行政手続きをトータルでサポートいたします。
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