【ワインショップ開業シリーズ⑪】 ECワインショップはどこで売る? ― 自社サイト・SNS・Vivino・ECモールの上手な使い分け ―

ECワイン店オーナーがSNS投稿

オンラインでワインショップを始めようとするとき、多くの方がまず考えるのが「どこで売るか」です。

でも実は、それよりもっと大事な問いがあります。

「どこで見つけてもらうか」

売上というのは、次の流れでじわじわと生まれてきます。

この流れを意識すると、自社サイト・SNS・ワイン特化型アプリの「Vivino」・ECモール、それぞれがまったく違う役割を持っていることがわかります。「なんとなく全部やる」のではなく、役割を理解して組み合わせることが、集客を安定させるコツです。

目次

自社のワイン販売サイトは、オンライン上のいわば「本店」

まず大前提として、自社サイトは、ネット上の「本店」です。

SNSで知ってもらった人も、Vivinoで興味を持った人も、「どんなお店なんだろう?」と思えば、最終的には自社サイトを訪れます。

自社サイトの強みは、こんなところにあります。

  • お店のブランドを育てられる
    どんな生産者の、どんなワインを、どんな想いで届けているのか
    コンセプトをしっかり伝えられる
  • 世界観を自由に作れる
    店主の知識や個性を、写真・文章・デザインで表現することで、それがそのままお店の魅力になる
  • 信頼感・安心感を届けられる
    ワインは『届くまで状態がわからない』温度管理や配送状態が気になる商品
    自社サイトで丁寧な梱包や配送方法、万一の際の対応窓口などが提示してあると、信頼に繋がります
  • お客様と直接つながれる
    お客様のメールアドレスやLINEを取得できる
    新着ワインの案内やセール告知を自分のタイミングで届けられます
  • 顧客データが手元に残る
    誰が、いつ、何を買ったかのデータが蓄積できます
    これが後々のマーケティングに効いてきます
  • 利益率が高い
    ECモールのような販売手数料がない分、利益が残りやすい構造です

逆に、コンセプトのない自社サイトは、ただワインが並んでいるだけの商品リストになってしまいます。
「なぜこの生産者の、このワインを紹介したいか」を丁寧に伝えることが大切です。

ノーコードでもワインの自社サイトは作れます


「でもサイト構築が難しそう……」と思っている方もなかにはいらっしゃるでしょう。でもご安心ください。
いまはノーコードでEC機能つきのショップサイトが作れるプラットフォームがとても充実しています。

サービス特徴
BASE(ベイス)初心者向け。無料から始めやすい
Shopify(ショッピファイ)拡張性が高く本格運営向き
STORES(ストアーズ)シンプルで扱いやすい
Squarespace(スクエアスペース)デザイン性が高い
Wix(ウィックス)自由度が高い

どれにするかは、使いやすさやデザイン性など、自分で実際に触ってみて選ぶのがいちばんです。

ワインショップのSNSは「入口」

SNSは、あなたのワインショップをまだ知らない人に知ってもらうための「入口」です。

ワインは視覚的な魅力が大きい商品なので、写真や動画を中心に発信できるInstagramと特に相性が良いといわれます。

ボトルのラベル、グラスに注いだ瞬間、ペアリングの料理——日常のシーンをそのまま投稿できる点でも使いやすいです。

SNS内でワインが検索される時代

少し前まで、「調べるならGoogle」でしたが、最近はそれも少し変わってきています。

Instagramで「軽井沢 ワインショップ」や「ナチュラルワイン おすすめ」と検索する人が増えています。
つまり、SNSへの継続的な投稿は、ブランド力の構築だけでなく、SNS内の検索対応にもなります。

SNSも「検索される場所」という意識で、地道な発信を続けていくといいでしょう。

SEOは「資産型集客」

ブログ記事やコラムによるSEO対策は、他の集客手段とは少し違う性質を持っています。

広告は費用を払い続けなければ止まりますが、記事は一度書いてしまえば、毎月検索から人を呼び込み続けます。
これを「資産型集客」と呼びます。

たとえば、こんなテーマの記事です。

  • ブドウ品種の解説(シャルドネ、ピノ・ノワール、リースリングなど)
  • 生産地・生産者の紹介
  • ワインの選び方・初心者向けガイド
  • 料理とのペアリング提案

これらは「ワインを買おうとしている人」「ワインに興味を持ち始めた人」が実際に検索するキーワードです。
記事が上位に表示されるようになれば、広告費ゼロで毎月集客できるようになります。

時間はかかりますが、継続しているうちに資産構築される「積み立て投資」のイメージです。

Vivinoは「ワイン好き」が集まる場所

ワイン特化型アプリのVivinoはAmazonでも楽天でもなく、一般的なSNSともちょっと違います。
わかりやすく言えば、「Googleマップのワイン版」みたいなものです。

飲食店の口コミをGoogleマップで確認するように、Vivinoはワインの評価や口コミを確認できるプラットフォームです。そして今は、その場で購入まで完結できる仕組みになっています。

お店で飲んで美味しかったワインを撮影してアップするだけで、そのワインの評価や価格がすぐにわかるだけでなく、その場で購入にまで進むことができます。表示される評価やレビューが、そのワインを初めて知った人に安心感を与え、購入の後押しになります。

Vivinoに集まっているのは、すでにワインへの関心が高い人たち。
アプリで操作性もよく、初心者から愛好家まで、幅広いワイン好きが利用しています。

ECモールは「集客を買う場所」

楽天やAmazonは、ブランドを育てることが主な目的の場所ではありません。

イメージとしては、「人通りの多い商店街に、家賃(手数料)を払って出店する」感覚です。
すでに大勢のお客様が集まっている場所に店を出すことで、ゼロからの集客コストを下げられます。

ただし、モールに依存すると、顧客データが手元に残りません。

自社サイトで「本店」をしっかり育てながら、ECモールは集客の補助として活用するのが、バランスのいい使い方でしょう。


ECモールは、注文データや配送先住所は残りますが、お客様のメールアドレスは原則非開示で、モールのシステム外でお客様に直接連絡をとることができません。

有料集客(Meta広告・Google広告)

Meta広告(Instagram・Facebook)やGoogle広告は、お金を払うことで見込み客に素早く届けられる手段です。

SEOとの違いをシンプルに言うと、

  • 広告 → 早い。でも広告掲載を止めると集客も止まる
  • SEO → 育つまで時間がかかる。でも記事は資産として残る

広告掲載は、開業直後で認知度がない時期に、短期的な集客の補助として使うのが効果的です。

ある程度SEOが育ってきたら、広告への依存度を少しずつ下げていくイメージです。

ワインショップにおける、リピーターづくり

ワインショップの利益は、新規客よりもリピーターから生まれます。
一度買っていただいたお客様に「また来てもらう」仕組みを持つことが、長期的な経営の安定につながります。

主な手段としては

  • LINE公式アカウント ― 新着ワインや季節のおすすめをタイムリーに配信
  • メールマガジン ― 読み応えのあるコラムや限定情報を届ける
  • 会員制度・ポイント ― 継続購入のインセンティブ作り
  • レビュー・お気に入り登録 ― お客様との接点を増やす
  • 友達紹介・割引クーポン ― 口コミによる新規集客にもつながる
  • 定期便・頒布会 ― 毎月おすすめワインをお届け

新規客を集めるコストは、リピーターを維持するコストよりずっと高くつきます。

「また買いたいな」と思ってもらえるお店づくりが、結局はもっとも効率のいい集客になります。

おわりに:― 全部いっぺんにやらなくていい

ワインショップ運営は、自社サイトだけ、SNSだけ、ECモールだけ、では成功しにくい時代です。
それぞれの役割を理解して組み合わせることで、集客の入口が増え、売上も安定していきます。

ただ、開業直後から全部を同時に始める必要はありません。

Instagram・X・Threads・YouTube・LINE・メルマガ・楽天・Amazon・Vivino・Google広告・SEO……
一気に全部手をつけると、必ず疲弊します。それで燃え尽きて、すべて中途半端になってしまったら元も子もないです。

開業初期は、この順番でも十分です。

  • 自社サイトの立ち上げ
       
  • Instagramで発信を始める
       
  • SEO記事を書き始める
       
  • LINEで顧客とつながる
       
  • VivinoやECモールなどで、販売チャネルを広げる

一つひとつを確実に積み上げていく中で、自分に合ったスタイル、やり方が確立されるでしょう。

それぞれのプラットフォームには、明確な特徴と役割があります。

手段主な役割
自社サイトブランドを育て、販売する「本店」
SNS出会いの入口
SEO検索から継続的に集客する資産
Vivinoワイン好きとの接点
ECモール集客力を活用する販売チャネル
LINE・メルマガリピーター育成

それぞれの役割を理解して少しずつ組み合わせていくことが、ECワインショップの集客を成功させる近道です。

そして、その積み重ねが「選ばれるお店」へと育っていきます。

ワインショップ開業ガイド

ワインショップを開業したい方に向けて、開業準備から仕入れ、販売、集客までを順番に解説しています。

■ 開業準備

■ 商品・販売

■ 店舗運営

■ EC・集客

■ ブランディング

酒類販売業免許の手続きは、公的書類の収集をはじめ、要件を満たしているかどうかの税務署との事前確認、そして申請書一式の作成など、想像以上に時間と労力がかかります。

当事務所では、ワイン業界に詳しい行政書士が自ら、お客様が本業の準備に専念できるよう、面倒な行政手続きをトータルでサポートいたします。

\まずはお気軽にお問合せください/

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この記事を書いた人

横浜の酒類販売業免許専門の行政書士。
「桜並木行政書士オフィス」を運営。
20年以上にわたり、ワインインポーターで輸入貿易実務や販促・企画業務など幅広く経験し、その現場経験を活かして、ワインビジネスを実務と法律の両面からサポートします。

■保有資格
J.S.A.ソムリエ
WSET® Level 3 Award in Wines

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