酒類販売業免許の「人的要件」を深掘り!引っかかりやすい欠格事由と事前対策

酒販免許申請で人的要件を確認する行政書士
目次

【人的要件を深掘り】人的要件で確認される主なポイント

酒類販売業免許の人的要件は、一見難しく感じますが、「誰について」「何を確認されるのか」を整理すると理解しやすくなります。

酒類販売業免許の「人的要件」では、大きく次の2つが確認されます。

  • 過去の免許取消しや法令違反などに問題がないこと
  • 過去2年以内に税金の滞納処分を受けていないこと

法律の条文(酒税法第10条)には専門用語が並んでいますが、実際に申請前に確認しておきたいポイントは限られています。この記事では、申請時に特に確認しておきたい事項や、見落としやすいポイントについて分かりやすく解説します。

なお、人的要件は、酒類販売業免許の審査で確認される要件の一つです。酒販免許の審査で確認される基本的な要件については、こちらの記事で全体像を整理しています。

なお、確認の対象者は欠格事由の内容によって異なります。申請者本人だけでなく、法人申請の場合には役員についても一定の欠格事由が確認されます。一方、地方税の納税証明書は、個人申請では申請者本人、法人申請では申請法人について提出します。

この違いを知っておくと、申請準備を進める際の確認漏れを防ぐことができます。

税金に関して確認されること

人的要件の中でも、事前に確認しておきたいポイントの一つが、過去の税金の滞納処分です。

人的要件では、申請前2年以内に国税または地方税の滞納処分を受けていないことが確認されます。

また、申請時には地方税について、現在未納の税額がないことと、2年以内に滞納処分を受けていないことを証明する納税証明書を提出します。

個人申請の場合は申請者本人、法人申請の場合は申請法人について確認します。

申請前に、税務署や市区町村・都道府県で必要な納税証明書を取得し、未納がないことを確認します。

過去の法令違反や刑罰(法人の場合は役員についても確認)

「自分には関係ない」と思われる方もいらっしゃいますが、ビジネスに関する身近な法律での罰金処分なども対象になります。

法人申請の場合は、取締役や監査役などの役員についても、一定の免許取消歴や法令違反・刑罰などの欠格事由に該当しないことが確認されます。

なお、法人申請では役員全員について欠格事由の確認が行われますが、だからといって、役員全員に酒類販売の実務経験が必要というわけではありません。

法人で申請する場合に「誰の経験が見られるのか」については、別記事で詳しく解説する予定です。

申請者・法人の役員等について確認される主な法令違反・刑罰

  • 酒税法や税法等の違反による罰金刑・通告処分
  • 二十歳未満の者の飲酒防止に関する法律や風営法など、一定の法令違反による罰金刑
  • その他の法律による拘禁刑以上の刑

    ・未成年者飲酒禁止法(二十歳未満ノ飲酒ノ禁止ニ関スル法律)
    ・風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律 ※お酒の提供に係る部分)
    ・暴対法(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律) など

これらについて、刑の執行を終えた日などから3年を経過していない場合は、人的要件に該当する可能性があります。

飲食店や既存の物販ビジネスから新しくお酒の販売(ECサイトや小売)に参入される法人の場合は、事前に役員の方々に確認しておきましょう。

申請前に「これだけは」確認しておきたいチェックリスト

人的要件で不許可にならないために、申請の準備段階で以下の3点を必ず確認しましょう。

① 過去2年以内に滞納処分を受けていないか確認する

個人申請の場合は申請者本人、法人申請の場合は申請法人について、申請前2年以内に国税または地方税の滞納処分を受けていないことを確認します。

なお、申請時点で税金を滞納していないことも確認されますが、こちらは人的要件ではなく、経営基礎要件に関する確認事項です。

② 法人の場合は、全役員の「法令違反の履歴」を確認する

役員に欠格事由に該当する法令違反歴がないか確認する。

③ 心配な場合は「納税証明書」を先に取ってみる

必要な地方税の納税証明書を事前に取得すれば、現状を正確に把握できます。

「人的要件」は、申請前に確認しておきたい大切なポイントの一つです。
しかし、事前に確認し、未納があれば納付を済ませ、役員の欠格事由についても確認しておくことで、申請後に問題が判明する事態を防ぎやすくなります。

「これって該当するのかな?」
「役員が多い会社だけど大丈夫かな?」

このような場合は、申請準備の段階で一緒に確認していくことをおすすめします。

なお、「酒販免許には一定の実務経験が必要」といわれることがありますが、これはここで説明した人的要件とは別の問題です。これまでの職歴や経営経験などは、酒税法第10条第10号の「経営基礎要件」の中で確認されます。

酒販免許の種類や取得要件について知りたい方はこちら

酒類販売を始めたい方に向けて、酒販免許の種類や選び方、取得要件、申請手続きなどを分かりやすく解説しています。


酒類販売業免許の申請では、必要書類の収集や申請書類の作成に加え、販売場や事業計画など、申請内容に応じた準備が必要です。

当事務所では、ワインの輸入・流通に携わってきた行政書士が、販売方法や仕入れ、物流などを伺いながら、実際の事業を見据えた免許申請をサポートします。申請を準備する過程が、これから始める事業を整理する機会になるよう、一緒に考えていきます。


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この記事を書いた人

横浜の酒類販売業免許専門の行政書士。
「桜並木行政書士オフィス」を運営。
20年以上にわたり、ワインインポーターで輸入貿易実務や販促・企画業務などを経験。現場経験と法律の両面からワインビジネスをサポートします。

■保有資格
J.S.A.ソムリエ
WSET® Level 3 Award in Wines

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